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本来タイヤとはホイール(車輪)のまわりにはめる鉄などの輪を意味し、古くから馬車などに使用されてきました。
ゴム製のタイヤが登場したのは1860年代ですが、最初は空気の入っていない、ホイールにゴムの「帯」を巻いただけのものでした。こうした「空気なしタイヤ」を履いて走っていた初期の自動車の最高時速は30km/h程であったといいます。
自動車用の空気入りタイヤは1895年にパリ ― ボルドー往復耐久レースに初めて登場。途中20回以上もパンクしたためリタイヤしてしまいましたが、このとき記録した最高時速は空気なしタイヤの約2倍の61km/h。
空気圧という「バネ」によってタイヤは強いグリップを獲得したほか、路面から伝わる振動──すなわち直進しようとするエネルギーに対する「抵抗」を最小限にすることで、革新的な高速走行を可能にしました。
その後タイヤは進化を重ね、滅多なことではパンクしなくなったばかりか、ラジアル化などによって、より強固な構造を得てさらなる高速走行性を実現。今日に至っています。
空気圧とは、タイヤに不可欠な「部品」とも言え、それが適正に備わっていないと、車全体の走行性能に大きな影響を及ぼします。
下の図は空気圧によるタイヤ性能への影響を示したものです。ご覧の通り、適正空気圧より高くても低くてもタイヤの性能には様々なマイナスの影響が現れます。
例えば空気圧を高くすると、理屈では「転がり抵抗」が減って、エネルギーロスは少なくなるので、燃費が良くなるようにも思われますが、走行安定性が悪くなることで、ブレーキやアクセルの多用を招き、これが燃費悪化の原因となります。
見かけはシンプルですが、様々な機能が複雑に結びついているタイヤ。こうしたタイヤの多様な力を最適なバランスで発揮させるための基準値が適正空気圧なのです。